【現役ITエンジニアが思う】派遣・未経験ITエンジニアが入社前に身に着けていてほしいこと
この記事は、ITエンジニア歴10年の私が
- 未経験からエンジニアを目指すか迷っている方
- 初めての出社を控えて不安に思っている方
- すでに現場に投入されて苦労している方
のような方たちに向けて、現場で感じた現役エンジニアと未経験エンジニアの間の認識ギャップを少しでも埋める方法を紹介するコンテンツの一つです。
この記事では、私の職場に来た派遣の未経験ITエンジニアの方を例にして、
未経験エンジニアが現場のエンジニアからの印象をよくするためにできることを紹介します。
まだ現場に配属されていないのでしたら、この記事の内容を抑えておくとよい印象を持ってもらえると思います。
また、すでに働いている方で当てはまることがあったら、今からできるようになれば同僚から喜ばれるはずです。
少しでもお役に立てたら嬉しいです。
2023年、私の職場に来た未経験派遣ITエンジニア
最近は
- 平均収入が他の業界よりも多い
- テレワークがしやすい
- IT人材不足でスキルが低くても採用されやすい
などの理由で、業務未経験からITエンジニアを目指す方が増えているそうですね。
私の職場でもエンジニア不足が深刻で昨年7名の派遣のITエンジニアの方がこられました。
そのうちの5名が未経験かほぼ未経験でした。
派遣の未経験エンジニアの方と働くのは初めてでしたが、
一年ほど一緒に働いていて気になったことがあります。
私の職場に来た派遣の未経験ITエンジニアは以下のような特徴がありました。
- エラーが発生したら、とりあえず助けを求める
- Microsoft officeツールを使ったことがない
- 検索キーワードがわからないから検索できない
- githubの存在を知らない
- 採用された企業の名前がかけない
- 週一程度の頻度で突発的に有給を取得する
- 発達障害であることを言わずにいる
未経験なので「設計書が書けない」「仕様通りに実装できない」などの経験が必要なことができないのは当然ですが、すぐに実践できることすら知らないでいることに驚きました。
よくよく考えると、今までは「会社の研修で業務に必要なことは一通り教育された」新卒の未経験エンジニアしか見たことがなかったので、先入観にとらわれていたようです。
現役エンジニアにとってはできて当たり前だと思っていることは「プログラミングスクール」や「派遣会社の研修」ではカバーしきれていないようです。
未経験派遣ITエンジニアが共通してできていたこと
まずは、共通してできていたことを紹介します。
プログラミングスクールや研修でも力をいれているのでしょうか?
これができていないと、流石に悪目立ちします。
正しい服装と身だしなみ
清潔な身だしなみをこころがけましょう。企業の建物に出入りする人がふさわしくない格好をしていると企業のイメージを下げることになります。
初日までに服装のルールがないか確認しましょう。
たまに隣の部署でも服装のルールが異なることがありますので注意してください。
最低限のコミュニケーションー挨拶、感謝、謝罪
たいていの人は感謝や謝罪ができる人を無下にできなくなります。
多少のスキル不足は多めに見てもらえます。
学習意欲
未経験の人を働けるようにするために、教育する労力を割いてもらっていることを忘れないでください。
学ぶ姿勢が見られないと、派遣契約は更新はされないでしょう。
印象が良くなかったこと
正直にいえば印象が悪かったことと知っていてほしいことを紹介します。
逆に考えれば、これを知っていれば他の未経験ITエンジニアよりも良い印象を持ってもらえます。
私の会社に来た派遣の人達は1年かけて教え込んで貴重な戦力として今も働いてもらってます。
ただ、配属当初は裏で噂になってましたよ。
gitは、プロジェクトのソースコードのバージョン管理や変更履歴の追跡などができるツールです。
ソフトウェア開発に携わるなら使い方を知っておくことをオススメします。
※ソースコードの管理にはSubversion(サブバージョン)などのメジャーなツールが他にもありますが、割愛します。
gitについては以下のサイトで分かりやすく解説されています。
このGitで管理しているプログラムのソースコードを、オンラインで共有・管理するサービスが「GitHub(ギットハブ)」です。GitHubは世界中のプログラマーによって使われています。
GitHubでは有名なオープンソースのソースコードも公開されています。プログラミングの勉強にも使えますので、のぞいてみてください。
検索スキルはエンジニア業務では必須です。
過去の知見に一瞬でアクセスできるメリットを享受できないのは大きな損失です。
私がもし一日検索を禁止されたら業務効率が下がってしまいます。。。
検索が苦手だと感じている方は
などを試してみてください。
検索のコツは別の記事で紹介します(執筆中)
こちらを参考に自分で検索を試みてください。
エンジニアの仕事は報告書作成、仕様書作成などでドキュメント作成は欠かせません。
採用がきまったら、ドキュメント作成にどのようなツールを使っているのか確認してみましょう。
もし、使用したことがないツールが使われているのなら、それがどのようなツールなのか調べておきましょう。ドキュメント作成がスムーズにできる状態にしておけば、他の作業に集中して取り組むことができます。
日本では、Microsoft officeツールを採用している企業が多いです。
勤め先がMicrosoft officeツールを使用しているなら、Microsoft officeツール「word」「excel」「powerpoint」を無料で使えるサービス「office on the web」を試しにつかってみてください。無料版だと一部機能は使えませんが、使い勝手を知る程度なら十分目的は果たせます。
Microsoft 365 を運用中の会社の割合は、企業規模(従業員数)が大きになるにつれて高くなる傾向があります。
【従業員50名以上200名未満】の企業では「全社的に運用中」と「多くの部署・拠点で運用中」を合わせた割合が43%であるのに対し、【従業員数200人以上1,000人未満】で65%、【従業員1,000人以上5,000人未満】では64%、今回の調査で最も大きな規模区分の 【従業員数5,000人以上】の企業では75%に達します。
ネットアテスト(https://www.netattest.com)
エンジニアの業務を遂行するにはエラーは避けられない存在です。
一人前のエンジニアを目指すなら、一人で調査できるように経験を積みましょう。
エラーが発生したときにすべきことについては別の記事でくわしく記載します。(執筆中)
エラーが発生したときは
- エラーメッセージをAI翻訳ツール「deelp」で翻訳して書いてあることを読む
- エラー発生したら、エラーメッセージ全体を見る
- エラーメッセージをコピペしてググる
を行いましょう。
ググるのが苦手でも5分だけと時間を決めて検索してみてください。経験することが重要です。
それでも解決できないと思ったら、何をしようとして、何をしたときに、どんなエラーメッセージがでてきたのかを伝えて質問しましょう。
調べてみたけどわからなかったという姿勢は好印象を与えられます。
初出社をする前に企業名を復習しましょう。
正式名称、略称、ロゴは確認しておきましょう。
派遣契約の更新を断られる行動
昨年は1名だけ派遣契約の更新を断ったケースがあります。
それは
・週一程度の頻度で突発的に有給を取得する
です。
未経験を承知で雇っているので、スキル不足や過失のミスが原因で契約を断ることはありません。
ですが、工数に対する人手が足りないから派遣を依頼しているのに、頻繁に突発的に休まれては、単純作業すら任せられません。
頻繁に休まなければならない事情があるなら、あらかじめ申告しましょう。
精神的な病気や体調の問題なら診断書を提出できるなら考慮することができます。
家庭の事情でも交渉の余地はあります。
そうすれば割り当てる作業をあらかじめ調整してもらえる可能性があります。
発達障害であることを申告しないことによる弊害
最後に、発達障害の自覚があり会社に申告するか迷っている方向けの内容です。
厚生労働省による「プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン」では、労働者の意に反した発達障害の確認・把握は、プライバシー権の侵害になる可能性があると忠告されています。
発達障害の確認・把握が公にできないと、周りの人は発達障害の人の特性にあわせて対処することができません。
私は以前にも職場でコミュニケーションに支障がある発達障害の方と一緒に働いたことがあります。
発達障害であることは周囲にも会社にも伝えていない人でしたが、一緒に働いていると情報伝達がうまくできなくて察してしまいます。
察したものの、本人が隠したがっている様子だったので情報伝達方法の改善を提案することはできませんでした。
また、当時の上司は発達障害という発想すらなく、単にできない人というレッテルを張って対応していました。
結局、その発達障害の方は半年で退職されました。
発達障害であることを伏せている人は1年で7割程度の人が退職してしまうそうです。
昨年きた派遣社員の人は暗黙の了解でその人にあった対応をとらせてもらっています。そのおかげか、1年以上継続して勤務できています。
発達障害者を含む障害者を雇用している場合、企業は障害者雇用促進法で、「合理的配慮」の提供を義務付けられています。「合理的配慮」とは、障害者と障害者でない者との均等な機会や待遇の確保、障害者の有する能力の有効な発揮の支障となっている事情を改善するための必要な措置であり、障害の特性に配慮した職務の円滑な遂行に必要な施設の整備、援助を行う者の配置などを指します。
例えば、厚労省は発達障害に対する合理的配慮として、「合理的配慮指針」で、下記を例示しています。
- 業務指導や相談に関し、担当者を定めること。
- 業務指示やスケジュールを明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順について図等を活用したマニュアルを作成する等の対応を行うこと。
- 出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること。
- 感覚過敏を緩和するため、サングラスの着用や耳栓の使用を認める等の対応を行うこと。
- 本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること。
また、厚労省が公開している「合理的配慮指針事例集」の発達障害の項目では、実際の職場で導入されているという下記の取り組みが紹介されています。
- 残業が必要な場合、予め本人に伝える、1日おきとする、体調により控えてもらう等の配慮を行っている。
- 高圧的にではなく、「…してほしい」と丁寧な言葉遣いで指示をする。
- 急な作業変更は極力行わない。行う場合には、本人の作業が一区切りつくまで待つ。また、業務の中で予想される変化については、できるだけ事前に本人に伝える。
- 本人の意向を踏まえ、本人が遂行困難または苦手な作業は担当としないようにしている。
発達障害の労働者は、法律に則って、企業にこうした配慮を求めることができます。ただし、「事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない」ともされており、当事者が具体的な合理的配慮の案を希望しても、負担が過重だとして、企業がほとんど応じないこともあります。
合理的配慮の手続きとしては、企業は障害をもつ本人と、どのような措置が必要なのかを話し合うことが義務付けられています。さらに、実施する措置の内容や、本人の希望のあった措置が過重な負担になると判断した場合は、その措置を実施できないこととについて、本人に伝えなければなりません。また、本人の求めに応じて、措置を実施する理由や実施できない理由について、説明する必要があります。
※この章の文章は「「発達障害」ならクビにしてもいい? 発達障害の「職場トラブル」Q&A」内容を引用しています
発達障害を隠している人がいるときに企業でできる選択は
- 本人の意思を尊重して、現状維持する
- 本人からの申し出を促して、合理的配慮をできるようにする
のどちらかです。
前者のままで業務に支障が出ていないのなら、発達障害であることは伝えなくて問題ありません。
もしも、発達障害の人と一緒に働いている人が現状維持で働くことがつらいと感じて上長に相談した場合、企業としては何らかの対策を行うことがあります。(スルーすることもあります)
「本人からの申し出を促して」の方法がやっかいでして、先ほど説明したように障害の有無について、個別に確認することは一般的に望ましくないとされています。
厚労省の「障害者雇用促進法に基づく障害者差別禁止・合理的配慮に関する Q&A【第二版】」では、「プライバシーに配慮した障害の把握・確認方法」として、「労働者本人から障害を持っていることを積極的に申し出ない」場合に、「事業主が労働者の障害の有無を把握・確認するに当たって、どのようなことに注意すればよい」かについて、「望ましい」手順を記しています。
労働者からの申出がない場合の把握・確認の方法としては、全従業員への一斉メール送信、書類の配布、社内報等の画一的な手段により、合理的配慮の提供の申出を呼びかけることが基本です
なんと、全社的に呼びかけることになります。
私から見ると返って合理的配慮の申し出がしにくいような気がしなくもないですが、このような対処をとられるようです。
※この章の文章は「「発達障害」ならクビにしてもいい? 発達障害の「職場トラブル」Q&A」内容を引用しています。
どうしても発達障害のことを申告したくない場合は、無理に会社や上司に伝えなくても構いません。
ですが、
- 口頭でたくさん話されると訳が分からなくなる。
- メモを取りながら人の話を聞くことができない。
- 言われたことをすぐに忘れてしまう。
などで特定の情報伝達に苦手意識がある人は
自分が担当しているプロジェクトのリーダーに
自分に指示を出すときは(自分が理解できる方法※)でしてほしい。
※ 例えば、文章で書いてほしい、図で書いてほしい、少しずつ伝えてほしい など
と伝えてください。
プロジェクトリーダーは立場上チームメンバーの情報伝達がちゃんとできているか目を配っています。そして、情報伝達がうまくいっていないなら原因を突き止めようとします。なので、隠そうとしてもいつかばれます。
業務進行に支障がなければ
少し癖のある人だな
程度に思われて深掘りされることはありません。
リーダーにできないことを報告していれば、業務で何かしらトラブルが発生してもフォローしてもらいやすくなります。
ただし、発達障害であることを報告せずにトラブルによる重大な損失が発生した場合、そのことが原因で企業ともめることになるかもしれませんのでご注意ください。
まとめ
昨年私の職場に来た派遣ITエンジニアの人が仕事に慣れるまでに教えたことを主に紹介させていただきました。
- エラーが発生したら、とりあえず助けを求める
→ エラーメッセージを読んで、同じ事例がないか調べてみる - Microsoft officeツールを使ったことがない
→ 無料版のMicrosoft officeツールを試してみる - 検索キーワードがわからないから検索できない
→ 検索オプションを使う
→ 「ラッコキーワード」などのキーワードリサーチツールを使って、検索してみる
→ chatGPTに質問する - githubの存在を知らない
→ gitコマンドを使ってみる
→ githubサーバーにアクセスしてみる - 採用された企業の名前がかけない
→ 正式名称、略称、ロゴを確認する - 週一程度の頻度で突発的に有給を取得する
→ 休むことが予想できる事情があるなら、あらかじめ上長に伝えて工数を調整してもらう - 発達障害であることを言わずにいる
→ 働いていてつらいと感じるなら、プロジェクトリーダーに相談してみる
もしここであげた内容に思い当たることがあったら、この記事を参考に実践してみてください。
他の記事はこちらにまとめています。